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秋ビールを飲みながら観たいほっこり映画7選

秋をどう過ごしますか?

スポーツ、読書、食欲、芸術と、ともすれば夏よりも活動的かもしれない。

秋晴れの気持ちいい空の下、友達とスポーツをしたり、ピクニックをしたりするのもいいけれど、寒さのトゲが立つ日には、おうちでビール片手にゆっくり映画漬けなんてのもいい。

今回は、そんな秋の日にビールを飲みながら観たい映画を10本紹介する。

 

her/世界でひとつの彼女

秋といえば、心地いいぐらいの肌寒さ。

この映画で描かれる人工知能と中年男性(こんなにキュートなおじさんは見たことがない)の恋愛から感じられる、ニセモノの恋愛であることの悲しさは、冬よりのやや厳しい温度を持つ。

しかしながら、ニセモノだと感じると同時に本物であるとも感じた。

確かに、人間対人間のように目に見える形ではない。だからこそ、より純粋化された形で、あの一つと一人は恋愛をしていたとも言えるから。

こうした、肉体を超越した恋愛については、押井守の伝説的劇場アニメ「イノセンス」のオーディオコメンタリーで議論されている。作品自体の美しさも素晴らしいから、こちらもオススメ。

 

公式サイト : her/世界でひとつの彼女

 

パイレーツ・ロック

イギリスで、ロックなどのポピュラーミュージックをラジオ放送することが禁止されていた時代に、海上からロックを流していた海賊ラジオ局「ラジオ・ロック」のDJたちの映画。

失恋した仲間にビスケットを差し出し、黙って寄り添うシーン、ラジオの前に集まってみんなで放送を聞くシーンなど、名シーンは数知れないけれど、なによりもいいのは船上生活のそこかしこに演出されたオシャレさとウィット。

アニメ映画なら、「秒速5センチメートル」や「BABY BLUE」、「けいおん!」など、雰囲気をウリにした作品は多く、雰囲気アニメなんていって一ジャンル化されてもいる。

しかしながら実写作品にだって雰囲気映画はあるし、このパイレーツ・ロックで描かれるDJを取り巻く小物、インテリア、脚本、ファッションは一級品の雰囲気をまとっている。

この映画が他の雰囲気映画と一線を画しているのは、あくまでこの映画がコメディの上で作られているからで、仲のいい友だちと甘いフレーバービールを飲みながら笑いつつ楽しむのがいい。

※個人的に、DJたちの着ているジャケットがすごく気になった。あんなに素敵なジャケットどこに売ってるんだろう?? 北海道ぐらいまでなら買いに行くから誰か教えてほしい。

 

詳細 : wikipedia

 

欲望

説明口調のセリフや演出ばかりな映画よりも、言葉足らずな映画のほうが好きなのは何でだろう?と自分に問いかけると、考える余地があるかないかの違いという、わざわざ言うまでもない理由に至る。

この「欲望」は殆ど説明しない映画だから、ストーリーなり演出なりをどう理解するかは完全に観客まかせになっている。

ザ・ブロンドというそのまんまな名前でジェーン・バーキンが出ていたり、ヤードバーズ時代のジェフ・ベックとジミー・ペイジがギターを破壊していたりと、見どころの多い映画ではあるけれど、人々を長く惹きつける魅力は、視覚的な美しさと不条理さにある。

不条理な匂いのする作品は映画に限らずとも手強いものが多く、欲望も例外ではなく、 DVDに付録のオーディオコメンタリーで、解説者が解説を放棄し、「わけがわからない」と呟いたところに爆笑した。

しかし、その「わけのわからなさ」から目を離せなくなるぐらい凝った美術や映像も素晴らしく、これほどわけのわからない映画に観客の目を惹きつけさせる映像もまた不条理だなと感じた。

芸術の秋、想像力を楽しもう。

 

詳細 : wikipedia

 

花とアリス

秋はなんといっても夕焼け空が美しい。他の季節では殆ど見られないような夕陽には、時に暴力すら感じてしまう。

そんな美しい景色を描かせれば誰にも負けない腕前を誇るのが岩井俊二監督。

「リリィ・シュシュのすべて」というカルト的人気を誇る映画は、繰り返し繰り返し観たものだけれど、秋にはこの「花とアリス」が合う。

二人の女子高生「花」と「アリス」を演じるのは、それぞれ鈴木杏と蒼井優。この二人が男の子を取り合うのだけれど、そこのところは置いておいて、1シーンごとの美しさが群を抜いている。

今でも鮮やかに思い出せるのは、蒼井優が演じたアリスと、その父(平泉成)の久々の再開シーンのラスト。離婚で離れ離れになり、久々に会えたアリスと父が東京を散歩するシーンのキュートさのあと、電車の閉まるドアのこちら側とあちら側で二人が別れる寸前、父が中国語で「我爱你(ウォー・アイ・ニー。愛してるの意味)と言う。

おじさんぽいおじさんであるアリスの父が、女子高生の娘に「愛してる」だなんて、ウッ!となってしまいそうなものを、映像の美しさ、普段は会えないという二人の関係性から立ち昇るものが合わさった雰囲気が、このシーンを高めている。

「リリィ・シュシュのすべて」で岩井俊二が見せた、全く本当に全然何でもない風景を隔世の美しい雰囲気でもって演出する映像は、この花とアリスでも見られる。 それは、新海誠の「言の葉の庭」にも共通する、いつもの景色にみんなが感じていたエモーショナルな気分を映像化する才能で、景色の綺麗な秋には是非この映画で雰囲気を味わいたい。

 

公式 : 花とアリス

 

ドライヴ

目は口ほどにモノを言うとはよく言ったものだけれど、この「ドライヴ」の主人公も極端に喋らず、目で意味を伝える。

特に、キャリー・マリガン扮するアイリーンと主人公が目と目で愛を交わすシーンの、敢えて言葉を交わさない侘び寂びといったらない。

言葉は、自分の考えを伝えられる道具だけれど、考えを言葉にする間にその幾分かは削られてしまう。それを削り取らず、生のままアイリーンに伝えようとする主人公の愛情は、ちょっと他の映画では観られない。

そんな主人公の感情を表す色に注目してほしい。まるで秋空のように綺麗な光の差し込むオレンジ色や、はかない青色の景色が、言葉の少なさを補うかのようにこの映画を彩る。

恋人と二人で秋の終わりに観たい映画が、この「ドライヴ」

 

公式 : ドライヴ

 

カラフル

放課後の学校というのはこの世の中でトップクラスにエモいものの一つだと思う。

そしてそこにマジックアワーな日没が加わったらどうなるだろう? ああ、これに勝るものはない。

カラフルの主人公である小林真が、関西弁を話す天使と屋上で話すラストシーンが正にこれで、このシーンの背景への力の入れ方がすごい。

通常、アニメの背景がアニメーションすることはなく、動いているのはキャラクター達だけれども、カラフルはこれに挑戦し、時間とともに変化する夕焼けの色合いを表現した。

監督の原と美術監督の中村へのインタビューによれば、1カットづつ背景を変えたとのことで、素晴らしく手間がかかっている。

映画「カラフル」特集 [テレビドガッチ]

ここまでの仕事は中々観られるものではなく、このレベルまで来ると、その場面を包む秋の肌寒さまで伝わってくるから不思議。

個人的に、秋の肌寒さと夕焼けの色合いにはたまらないものを感じるけれど、カラフルはそれを見事に表現していた。

 

公式サイト : Colorful カラフル

 

ダージリン急行

ビートルズ「Hey Jude」が流れるオープニングが印象的な「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」の監督であるウェス・アンダーソンは、劇中歌や映画美術のセンスで圧倒的なレベルの高さを見せる。

そんなウェス・アンダーソンが監督した映画が、「ダージリン急行」

三人兄弟がヒマラヤの修道院で尼僧をしている母に会うため、インドを走る長距離列車で旅をする。

様々なわだかまりのある三兄弟が絆を回復させるお話にほっこりするのはもちろん、なんといってもウェス・アンダーソン一流の色使いが光っている。

鮮やかなような、それでいてくすんでいるような、微妙な質感の色がこの監督の作品の特徴で、ダージリン急行でも、列車、バッグ、寺院、服など、あらゆるもの、そしてその組み合わせに遺憾なくセンスが発揮されている。

特に、三兄弟が持ち歩く旅行バッグが素敵で、2014年に辞めるまで16年の長きに渡ってルイ・ヴィトンのデザイナーを務めたマーク・ジェイコブスが手がけている。そして、そんな貴重なバッグを放り投げるオープニングもまた見逃せない。いやはや、ウェス・アンダーソンらしい作品だとて。

 

詳細 : ダージリン急行@ぴあ映画生活

 

秋映画に合う秋ビール

さて、これらの秋映画のお供には、しっぽり長く楽しめる秋ビールを合わせたい。以前hipahipaで紹介したビールでオススメするなら、シメイ・ブルーや苦味の強いもの、あるいはホワイトビール系がいいだろう。

ベルギーホワイトビールを日本式に解釈したワビサビール。ヤッホーブルーイング「水曜日のネコ」

ワインのようなベルギービール「シメイ・ブルー」はクリーミーなブリーチーズと合わせる。

しっぽり飲みたい、秋のおこもりビール2つ。「グランドキリン 十六夜の月」「まろやかエール」

「メルツェン」「スペシャルビター」はクラフトセレクトの優等生と不良。

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